きつつき大佐かく語りき

趣味のこと、最近のこと、懐古すること 等を書きます

いつか忘れて、なくなってしまうのかな

 忘れることへの恐れを持っている。いつか大切なことを忘れてしまうのではないか、と。曖昧なものをとどめておくには僕の頭はいささか能力不足だ。

 

 何か人に言われて嬉しかったこと、悲しかったこと、覚えておきたいこと、それらの記憶がこぼれ落ちてしまうことが最近よくある。水のように、すくっても手のひらからすり抜けて、思い出せなくなってしまう。これは病気のようなものではないとは思うんだけど、自分の記憶力のなさにがっかりしてしまう。自分の言ったことを覚えていてくれる人がいる一方で、僕は忘れていく。大事なことも忘れていってしまうのが怖い。いくらメモしても、こぼれた水は盆には帰らないのだ。人との関係も然り。

 

 振り返り能力が乏しいとなると、今を全力で生きようと思うようになる。忘却してしまうことが多いのはわかった、でも今ある楽しいことや心地いいことを身に受けるのを阻害するようなことではない。記憶力がなくても、「楽しみ」の記憶がうっすら残ってくれれば、言葉を一字一句記憶していなくても良い。言葉は大切にしたいと思っていた。今もそう。だが、自分の完璧主義が今を楽しむことを邪魔したのでは元も子もない。

 

 一抹の悲しさはあるけれど、大切なこともしょっちゅう忘れてしまうのが今の自分だ。そういう面は確かにある。だけど、それにとらわれて臆病になっていたのではもったいない。自分はあまり記憶していくことが得意なわけではない。それを個性の一部として受け入れよう。

 

大切な気持ち、嬉しいこと、悲しみ、苦しさ。すべて抱えて生きていくには人間の容量では小さすぎる。そう思いませんか。忘れていくこともあり、記憶に残ることもある。僕はその後者を大切に生きていきたい。